ロードマップを一つずつ。ser.
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前回からの続き。
今編からは、かなり長く複雑になるので
前半後半とそれぞれのQ&Aと分け
[ロードマップ ①-②-3-Ⅲ]に関して4つの記事に分けます。
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①-②-3-Ⅲ<前編-A>
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①-②-3-⑴-α-A. 火災防護システムⅢ:
月面基地における換気や煙の管理
⑴ 循環型の換気システム
HEPAフィルターと活性炭フィルター について:
地球上での使用事例:
①:「HEPAフィルター」について
病院のクリーンルーム、製薬工場、
航空機の換気システム、真空掃除機などで
広く使用されています。
粒子の捕捉率が非常に高く、
空気中の微細な粉塵や病原体を除去できる。
②:「活性炭フィルター」について
主に悪臭や有害ガスの吸着に使われており、
たとえば、水道水の浄化、家庭用空気清浄機、
工業排気ガス処理システムに用いられています。
宇宙空間での実用可能性:
①:「HEPAフィルター」について
既に国際宇宙ステーション(ISS)でも
使用されており、宇宙空間での実績があります。
②:「活性炭フィルター」について
揮発性有機化合物(VOC)の吸着に使用されており
ISSや将来の月面基地でも
その役割を拡張できる可能性がある。
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⑵ 煙の抑制と除去
調理機器の密閉設計について、
具体的な例を挙げると:
1. 密閉型調理器具
①:電気圧力鍋やスロークッカーのように、
蓋が完全密閉される設計。
内部で発生した蒸気や煙は、
調理終了後にフィルターを通して浄化するシステム。
2. 蒸気排出制御付きオーブン
①:加熱調理を密閉空間で行い、
蒸気や煙を直接内部フィルターで処理する。
排気が外部に漏れない構造。
3. 集積型フィルターシステム
①:各調理器具内に”小型HEPAフィルター”や
”活性炭フィルター”を組み込み、
煙や臭いを処理する。
これらにより、換気負荷を軽減しつつ
基地内の空気質を保つことが可能。
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①-②-3-⑴-α-C. 消火システムの選択Ⅲ:
⑴ ガス消火システム:
①:ガス消火システム
(例:ハロン代替ガスや不活性ガス)は
精密機器への影響がほとんどないため、
宇宙環境でも有力な候補。
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⑵ 酸素供給カット機能
①短時間の基準:
:酸素供給カットの「短時間」は
一般的に30秒~2分程度が基準となる。
これ以上になると人間が酸素欠乏症に陥るリスクがある。
②時間以外の配慮:
:酸素カット中に同時に、内部の二酸化炭素や
煙を迅速に除去する必要があります
(たとえば、CO2吸着材を活用)。
:酸素供給再開後、酸素濃度の急激な変化による
身体への負荷を最小限に抑えるため、
再供給は段階的に行うべきです。
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⑶ 自動消火スプレー
①スプレーの原料例:
A:水噴霧(微細ミスト):
熱吸収と酸素供給遮断に有効。
B:不活性ガス(例:二酸化炭素や窒素):
燃焼抑制。
C:冷却剤(例:特定フルオロカーボン):
燃焼面を迅速に冷却。
②周辺機器への影響:
A:水噴霧の場合、
電子機器に浸水のリスクがあるため
防水設計が必要。
B:不活性ガスは影響が少ないが、
作動後に環境を正常化するための換気が必要。
C:冷却剤は残留物が少ないが、
完全除去には時間がかかる場合があります。
復旧の時間については、システム規模によるが、
1~数時間の再調整が必要です。
なお、復旧を前提としない場合は、
完全密閉環境での火災発生自体を極力防ぐ設計が必須。
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①-②-3-⑴-α-D. 火災予防のための素材選定Ⅲ:
次世代型FRP(繊維強化プラスチック)
利点:
①:難燃性を持つ特殊樹脂や添加剤を用いることで、
宇宙用に適応可能。
②:ケブラーやカーボンファイバーと比較して、
コスト面で優位性がある場合があります。
課題:
①:樹脂部分が高温下で分解する可能性があるため、
セラミックやケブラーとの複合化が必要。
宇宙環境向けに改良された次世代型FRPは、
軽量性と耐久性を持ちながら、
コスト効率にも優れるため、
月面基地での利用が期待できます。
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①-②-3-⑴-β 換気システムと煙・匂いの除去Ⅲ
⑶ 調理機器の密閉設計:具体案
①密閉型フライパン:
:全体が密閉され、煙が内部で処理される機能を持つフライパン。
フィルターは取り外し可能でメンテナンス可能な設計。
②クリーンオーブン:
:完全密閉の調理室内に、煙や臭いを除去する
HEPAフィルターおよび活性炭フィルターを内蔵。
③調理中煙処理ユニット:
:密閉型の調理器具に、専用の
「ミニ煙処理ユニット」を装着可能。
煙を器具内部で完全に処理。
これらのアイデアは、換気負荷の軽減だけでなく、
月面基地内の空気質維持にも貢献します。
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①-②-3-⑴-γ:エネルギー供給の安定性と代替発電技術Ⅲ
⑵ 放射性同位体熱電機(RTG)
①安全性と危険性:
A:RTGは通常、厚いシールドで
放射線を遮蔽しており、
直接的な放射線被曝のリスクは低い。
B:万が一の事故(衝撃や故障)による
放射性物質漏出のリスクが残るため、
慎重な取り扱いが必要。
②宇宙飛行士の訓練範囲:
A:宇宙飛行士全員がRTGの設置や
交換を扱う必要はない。
B:専門チームが運用・整備を行い、
宇宙飛行士には基本的な安全操作と
緊急時対応のみ訓練。
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⑶ 低温環境でも性能を維持できる蓄電池
具体例:
リチウムイオンバッテリー
:冷却剤や特殊電解質を使用して低温対応。
全固体電池
:液体電解質を使用せず、
低温でも安定した動作が可能。
ニッケル水素電池
:低温での性能劣化が少なく、長寿命。
これらの蓄電池は、
月面の極端な温度環境に適応できるよう設計されており、
将来的な月面基地でも主流になる可能性があります。
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以上が、今回の
それぞれの項目に対する回答および
補足説明でした。
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次回は、①-②-3-Ⅲ<後編-Q>を投稿致します。
引き続きついてきて下さい🥴
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