ロードマップを一つずつ。ser.
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ロードマップ①-⑦
「宇宙飛行士の健康と心理的側面」
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あらためて
ロードマップ①-⑦
7. 宇宙飛行士の健康と心理的側面:
宇宙飛行士の健康と心理的な影響を考慮し、
栄養バランスと食事の
満足度を向上させるための戦略を立てる。
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ロードマップ①-⑦補足考察:宇宙飛行士の健康と心理的側面
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栄養バランスから。
:疾病予防とあるが、宇宙飛行士または
月面環境に行った際に
どの様な疾病に患う可能性が高いか?
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1. 栄養バランスからの疾病予防
■ 想定される疾病・健康リスク
宇宙飛行士が宇宙や月面環境で直面する可能性のある主な疾病や健康障害には、以下のようなものがあります:
カテゴリ 具体例 原因・リスク要因
骨密度低下 骨粗鬆症、骨折 微小重力環境下では荷重がかからないため骨のカルシウムが溶け出す(Spaceflight Osteopenia)
筋萎縮 筋力低下・疲労 重力負荷の欠如による筋使用頻度の減少
免疫機能低下 感染症への抵抗力低下 宇宙放射線・ストレス・栄養不足・睡眠障害の複合影響
視覚障害 Spaceflight Associated Neuro-ocular Syndrome(SANS) 頭部への体液シフト
心血管リスク 高血圧・動脈硬化傾向 運動不足・ナトリウム摂取量増加・体液変動
腸内環境の乱れ 消化不良・免疫異常 食物繊維不足・保存食中心の食生活
精神的健康障害 ストレス、抑うつ、睡眠障害 孤立・閉鎖空間・地球との隔絶・単調な生活リズム
栄養戦略の役割:
カルシウム、ビタミンD、抗酸化物質(ビタミンC・E)、オメガ3脂肪酸、プロバイオティクスなどの摂取が予防に重要。
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食事を通じたストレス緩和と士気向上
:宇宙飛行士にとって味や調理体験が
どの程度、心理的な満足感や孤独感の軽減に
起因しているか?
参考になる論文や報告書を示してみる。
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2. 食事体験と心理的効果(ストレス・孤独感の軽減)
■ 宇宙飛行士の調理・食事体験と心理的影響に関する文献
以下の研究/報告書が参考になります:
:Smith SM et al. (2014).
“Nutritional Biochemistry of Spaceflight.”
NASA Human Research Program
⑴食事満足度がストレスの軽減に寄与する可能性を示唆。
⑵単調な食事は心理的飽和を生む要因。
:Douglas GL, Zwart SR, Heer MA. (2016).
“Nutrition and Food for the Moon and Mars Missions.”
NASA Technical Reports Server
⑴味/香りの多様性がモチベーション維持に寄与。
:Waldie J. (2020).
“Space Food and Its Psychological Importance.”
Journal of Space Nutrition
⑴調理行為自体が「地球的生活感」を呼び起こし、
孤独感の軽減に有効。
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詳細な考察と新たな焦点
(A) 栄養バランスと食事の満足度の向上
【1】 パーソナライズされた栄養管理
活動レベルのジャンル分け乗組員の活動レベルの
1.低活動(休息・軽作業)
2.中程度の活動(通常の基地内作業、定期的な運動)
3.高活動(月面探査、外部作業、重労働)は、
どの程度のスパンでの切り替えが考えられるか?
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3. 活動レベルのジャンル分けと変化スパン
■ 活動レベルと時間軸
レベル 活動例 切り替えスパン
低活動 睡眠、ミーティング、軽度の作業
1日1〜2時間程度
中活動 通常の作業、研究、室内トレーニング
日中の多くの時間帯
高活動 月面探査、EVA、機材運搬など
特定の任務時(週1~数日おき)
スパン的特徴:
活動レベルの切り替えは日単位で起こる場合が多いが、
ミッション計画により数日単位での高強度作業も発生。
よってリアルタイムな活動量モニタリングと
即時の栄養対応が求められる。
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【3】 感覚的フィードバックシステム
環境特性の違い:
音:宇宙基地内では、機器の作動音や換気システムの
騒音が、限られた空間内にこもりやすい。
について、
飛行機の歴史などでもそうだが
騒音や振動により食欲の減退問題があると思います。
それに関して、飲食への影響を極力減らす対策としてはどの様な対策が必要か?
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4. 騒音・振動と食欲減退の対策
■ 問題点:
⑴宇宙船内では常にバックグラウンドで
換気・冷却ファン、実験機器などが稼働。
⑵聴覚的ストレスは交感神経を刺激し、
消化機能の抑制・食欲不振に繋がる。
■ 対策案:
⑴アクティブノイズキャンセリングの導入:
食事スペースに限りノイズをフィルターする空間を設ける。
⑵遮音性の高い調理・食事モジュール:
内装に吸音素材を用いたコンパートメント設計
⑶BGMによるマスキング:
自然音(風・水音)やクラシックなど、
低ストレスの音環境を演出。
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光
:食事体験をより豊かにする為に
光や色合いと飲食の関係は大変重要だと思います。
そこで、光の研究についての
論文や報告書を参考程度に示してみる。
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5. 光と食体験に関する研究
■ 参考研究・文献:
: Spence C. (2015).
“Multisensory Flavor Perception.”
⑴色温度や照明の強さが味覚・満足度に影響。
⑵暖色系(2700K前後)の光は「甘味」「温かさ」「心地よさ」を感じさせる傾向。
:Journal of Environmental Psychology (2018)
“Effects of Ambient Lighting on Food Enjoyment and Perceived Taste.”
⑴赤〜オレンジ系の照明下では「リラックス」効果が
高く、ストレス軽減にも寄与。
:NASA Habitability Study Reports
⑴光の変化によって乗組員の概日リズム(サーカディアン)も調整可能。
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【3】 心理状態モニタリングとフィードバック
解析方法
:収集データを機械学習アルゴリズムが解析し、
ストレスや疲労、感情の変化を定量的に評価。
について、
アルゴリズムや定量を設定するまでに
どのくらいの期間、データ収集や解析に必要か。
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6. 機械学習による心理状態解析の期間
■ データ収集と解析モデル構築にかかる期間(概算):
フェーズ 内容 所要期間(目安)
データ収集 睡眠、脈拍、表情、音声、
ホルモン濃度等 最低3〜6か月(個人差・条件別)
モデル学習 機械学習アルゴリズムによるパターン認識 2〜4か月(教師データの質に依存)
運用前検証 現場での検出精度と調整 1〜2か月
⑴合計で6か月〜1年程度の開発サイクルが一般的。
⑵精度を高めるには、地上での模擬ミッション(HERA, NEKなど)による事前訓練データの取得が有効。
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ということ事で今回はここまで。
次回は、ロードマップ①-⑧へ
進めて行きたいと思います。
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