N°79. [伊藤のヨタばなし] 宇宙調理に関して:宇宙調理理論  ロードマップ②-⑤-N°02ついて。

伊藤のヨタばなし

ロードマップ②-⑤-N°02ついて。

ロードマップを一つずつ。ser.
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「②-⑤ 乾燥・凍結プロセスの最適化」について。
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ロードマップ②-⑤
「②-⑤ 乾燥・凍結プロセスの最適化」について。

以下に、
ロードマップ②-⑤「乾燥・凍結プロセスの最適化」について、全体的な概要を示します。
過去の①-章で扱った共通概念は「既出考察済み」とし、今回はより細かなプロセス設計と微重力環境への適用性にフォーカスします。
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②-⑤ 乾燥・凍結プロセスの最適化 ー 概要
目的
:微重力下でも均一な乾燥・凍結を実現
:栄養素・風味・食感の劣化最小化
:処理時間・エネルギーコストの低減
について。
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これらの技術は、宇宙(月面環境下)の宇宙基地にて、育てられた食材やそれを使用し調理した食事も
長期保存目的の為に使用可能か?

使用可能なのであれば
それぞれの機器や技術、知識など
総合的な面で一番使いやすく
かつ、地球から月面基地まで
運びやすい技術は、どの技術なのか?
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月面基地において
「育てられた食材」や「調理後の食事」を
長期保存する目的で乾燥・凍結系保存技術を活用できるかどうか、
そしてどの技術が総合的に最も現実的で有望かを、
考察していきたいと思います。
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結論に近い要点から。

宇宙(月面基地)で育てられた食材や調理した食事に対して、
凍結乾燥(フリーズドライ)技術は
「使用可能」かつ「最も実用的」です。
中でも「高効率・小型フリーズドライ装置(低圧+加熱制御)」は、
:現在の技術水準においても月面での運用が見込める
:搬送性・操作性・エネルギー効率・多用途性のバランスが良い。

という点で、最有力候補といえます。
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そもそも、前提として
「月面で保存加工する理由」

月面基地で「食材や料理を保存」する理由は以下の通り:

目的 内容
①自給自足強化
:育てた食材や調理品を保存し、収穫期以外にも利用可能にする
②調理の効率化
:一括で調理→保存しておけば、次回以降は再加熱だけで済む
③リサイクルの観点
:廃棄せず保存し、無駄を出さない設計が重要
④配布・移送
:他のモジュールや基地に輸送できる形式(軽量・長期保存)に加工
⑤緊急備蓄
:事故や想定外の供給不足時に、保存食として活用
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使用可能な乾燥・凍結技術の分類と評価

それぞれの技術が「月面での保存加工」に使用可能かどうかを
実用性・操作性・装置搬送性などの観点から評価します。

技術/使用可能性/特徴/メリット/デメリット
フリーズドライ(真空凍結乾燥)
◎可能・最有力
:食材を凍結し、真空下で昇華乾燥
:栄養・風味を最大限保持。
・装置はすでに小型化進行中。
・初期エネルギー消費がやや高い。

マイクロ波乾燥
〇可能
:電磁波加熱で内部から乾燥
・短時間で処理。
・加熱ムラが少ない。
・制御が難しく、装置が大型化しやすい。

高圧脱水(加圧脱水)
△限定的に可能
:高圧で水分を絞る。
・エネルギー効率が高い。
・メカニカル。
・食材の形や風味の変化が大きい。

常圧熱風乾燥
△可能だが推奨度低
:熱と風で水分を蒸発  
・シンプルな構造。
・装置が安価で軽量。
・食材の栄養/風味損失が大きい。

噴霧乾燥
✕非現実的
:液体をミスト状にし高温で乾燥
・粉末食品の生成には最適。
・気圧/温度の精密制御が難しく、宇宙環境には不適。
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各技術の宇宙仕様化の視点(総合評価)

項目
フリーズドライ /マイクロ波乾燥/高圧脱水/熱風乾燥
栄養・風味保持 ◎ 〇 △ △
装置の小型化 〇 △ ◎ ◎
エネルギー効率 △ ◎ ◎ ◎
操作のしやすさ ◎ △ △ ◎
水の回収性 ◎(昇華水) △ △ △
再利用・再加水 ◎ 〇 △ △
総合評価 ◎ 〇 △ △
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さらに考慮すべき運用要素(現実の宇宙基地を想定)
1. 消費エネルギー量と供給系統
:ソーラー or 原子力での供給電力が限定される場合は、連続処理よりバッチ式処理の方が合理的。

2. 月面の低重力 (1/6G) 環境への適応
:真空制御や昇華水の回収に重力差が影響。気流制御・冷却排気の工夫が必須。

3. 閉鎖環境内の湿度・微粒子制御
:乾燥装置稼働中は、除湿・フィルター技術と連携させる必要あり。

4. 処理後の食品包装材
:長期保存と軽量性を両立した多層フィルム・バイオマス由来パッケージの採用が望まれる。
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まとめ:最も現実的で有望な技術

観点 最有力候補
機器の小型化・輸送性
→フリーズドライ装置(バッチ式・モジュール型)

多様な食材・調理品への適応
→フリーズドライ

環境適応(低重力・湿度制御)
→フリーズドライ(密閉構造に強い)

エネルギーと制御性のバランス
→フリーズドライ or マイクロ波乾燥(補完的に)
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今後の方向性
この結論を踏まえ、次のステップでは以下を深掘りできます:
:②-⑤-[A]:フリーズドライ装置の構成要素と月面仕様化
:②-⑤-[B]:エネルギー制約下での処理プロトコルの最適化
:②-⑤-[C]:処理後食品のパッケージングと再加水プロトコル
:②-⑤-[D]:月面調理品を乾燥保存する運用モデルの試作
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ということ事で今回はここまで。
次回は、上記の「今後の方向性」について、
追記していきます。
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