N°92. [伊藤のヨタばなし] 宇宙調理に関して:宇宙調理理論  ロードマップ②-⑦-N°08(02の補足)について。

伊藤のヨタばなし

ロードマップを一つずつ。ser.
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「②-⑦ プロトタイプ製造と加速老化試験」
:上記素材・プロセスを用いたプロトタイプ食品を製造し、加速老化試験(温度・放射線ストレス)で保存期間や官能品質の変化を評価。」
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ロードマップ② 「食品の保存技術の確立:
– 長期保存可能で軽量・コンパクトな食品の開発や保存技術の研究を行う。」は、全体を通して
最終的に得られた知見をベースに「ISO規格」「Artemis協定」レベルの保存食品仕様を策定し、
量産および国際共同利用に向けた設計を確定できる様にするのを
一つのゴールとして進めていきたいと思います。
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「2. 食品の保存技術の確立:
– 長期保存可能で軽量・コンパクトな食品の開発や保存技術の研究を行う。」から
ロードマップ②-⑦として。
プロトタイプ製造と加速老化試験」
:上記素材・プロセスを用いたプロトタイプ食品を製造し、加速老化試験(温度・放射線ストレス)で保存期間や官能品質の変化を評価。」

について追求していきたいと思います。
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<補足回>
まず結論(超かんたん)

各処理条件ごと
:3バッチ × 各バッチで技術的複製 n=3 → 合計 9試料/条件 が「実務での標準的ミニマム」。

官能(味見)パネル
:各時間点で 5〜10人 が現実的。

初めは パイロット(50〜100サンプル) でまず仮説を掴み、効果がはっきりした条件だけを拡大するのが効率的。
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用語のやさしい説明
「3バッチ × n=3(技術的複製)」ってどういう意味?

バッチ:同じレシピを別の日や別ロットで作った「まとまり」。料理でいうと「第1回目に調理した分」「第2回目に調理した分」みたいなもの。

技術的複製 n=3:同じバッチから取り出した試料を同じ処理で3回測ること。測定のムラ(機械の誤差や取り扱いの違い)を抑える役割。

なぜ合計9個(3×3)?:
「バッチ間のばらつき(作るたびに少し違う)」と「測定のばらつき(同じものを測っても誤差がある)」の両方を見るために、両方に複製を入れるのが現場では標準。

これで「結果が偶然じゃなくて本当に処理のせいか」をより確かめやすくなります。

イメージ:宿題で1回だけテストするより、毎日3日分やるほうが「本当にできるか」を正しく判断できるのと同じです。

官能パネル n = 5–10 はどう考える?
・味の評価は人それぞれ違うので、何人かで平均をとる必要があります。

・5人だと簡単な判断(「良い/悪い」)は見えるし、10人だとより安定した結果が取れます。

・高度な官能試験(微妙な違いを検出する)はもっと大人数が必要ですが、開発段階やパイロットなら5–10人で十分なことが多いです。
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統計解析(やさしく)

1) ANOVA(分散分析)って?
何をするか:複数の条件(たとえば、圧力100/200/300/400 MPa)を比べて、「どれかが他と違うか」をまとめて調べる方法。

イメージ:4種類のジュースを飲んで、「どれが一番甘いか」を一気に比べるテスト。

なぜ便利?:条件を1つずつ全部比べる(たくさんのt検定をする)より安全で誤りが少ない。

2) 回帰モデル(経時変化)って?
何をするか:時間が経つにつれてどのように値が変わるか(たとえば色ΔEや菌数の時間経過)を線で表して予測する方法。

イメージ:「冷蔵庫に入れたアイスは何日で溶ける?」を線や式で表して将来を予測する感じ。
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3) 生存分析って?
何をするか:「ある指標(微生物が基準超える、品質が基準下回る)が閾値に達するまでの時間」を扱う統計。

イメージ:「アイスが溶けて食べられなくなるまで何日か」を調べる方法。データが途中で観察終了(まだ閾値に達してない)でも扱える点が強み。
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なぜ「パイロット(50–100サンプル)」が良いの?
:最初から大量に実験するとコストや時間が大変。

:パイロットで変動(ばらつき)や効果の大まかな大きさ(効果量)を掴めば、正式な解析で必要なサンプル数の精密な計算ができます。

つまり、無駄を省きつつ「どの条件が有望か」を早く見つけるため。
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具体例(イメージしやすい数の計算)

仮に「4つの圧力条件(100,200,300,400 MPa)」を1回の時間点で比べるとします。

・各条件で 3バッチ × n=3 → 9サンプル/条件

・条件数4 → 合計 9 × 4 = 36 サンプル

・これを**3つの時間点(0日、1ヶ月、3ヶ月)**で測ると → 36 × 3 = 108 サンプル

・官能は各時間点でパネル5人 → 3時間点 × 5人 = 15パネル評価(人)

このように、時間や条件を増やすとサンプル数はすぐに増えます。だからパイロットで絞ることが重要。
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効果量(effect size)って何?なぜ重要?
効果量は「処理の効果がどれくらい大きいか」のこと。
効果が大きければ(たとえば、菌が十分に減る、色の変化が大きい)、少ないサンプル数でも差が見つかる。
効果が小さければ、差を検出するためにもっとたくさんのサンプルが必要。
パイロットは「効果量の見積り」に使うと考えてください。
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実務的なステップ(チェックリスト形式)
1. 目的をはっきり:何を「有効」とみなすか(例:菌が 3 log 減少、ΔE < 3)。 2. パイロット実施(50–100 サンプル):複数条件をざっくり試す。 3. 効果量と分散を推定:パイロットデータで「どれくらい差が出るか」を計算。 4. 正式なサンプル数計算:効果量・許容誤差・有意水準(たとえば p<0.05)で必要数を算出。 5. 本試験実施:3バッチ×n=3 を基本に、必要なら複製を増やす。 6. 解析:ANOVA → 回帰 → 生存分析 の順で目的に合わせて解析。 7. 結果の解釈と意思決定:統計的に有意(差がある)かつ実務的に意味があるかを判断。 --------------- まとめ(短く・わかりやすく) :「3バッチ × n=3」は**ばらつきの両面(作り方の違い+測定誤差)**を同時に見るための現場標準。 :官能パネルは5〜10人でまず試す。 :統計は ANOVA(複数比較)・回帰(時間変化)・生存分析(閾値到達時間) が役立つ。 :**効果量が分かるまでパイロット(50–100)**で試し、本試験に進むと効率的。 ------------ 8) 必要設備 & 外注先(候補) ・小型フリーズドライ機(研究室用) ・PEF 実験装置(大学・企業の共同研究) ・コールドプラズマ装置(ラボ用) ・加速老化チャンバー(40℃/75%RH 等) ・e-beam / gamma irradiation(外部認証施設) — e-beam は 10 MeV 以下の設備を持つ施設を選定。 ・HPP 試験サービス(段階的圧力実験を受託する業者) ------ ということ事で今回はここまで。 ------------ #公邸料理人 #在外公館料理人 #伊藤のヨタばなし #宇宙調理 #宇宙食 #universe #JAXA #NASA #航空宇宙学会  #テクノロジー #technology #料理 #食思弁進化 #aRim #アリム #調理理論 #cuisine

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