[YouTube 本編内容 文字起こし]
☆飲食の際の情報量
飲食の際に”味覚” から入る情報量は
0〜1% 。
五感の中では、最も少ない数値。
☆味覚について
・食事をする上で一番に影響がありそうな
味覚がなんと、たったの1% しか影響しない。
・その1%が、とても重要。
・現在では、五味と言って
「甘味、酸味、塩味、苦味、旨味」
に、大別される。
・近年では、第6の味覚 「カルシウム味」の
確立を目指しているという研究もある。
・季節により、味覚が変化する。
(体調によっても味が変わるというのもあるが
それは、五感を総合的に加味している。)
☆1%の”味覚”に
どう効果的なアプローチをするのか?
・4つの効果を利用する。
相乗効果、対比効果、抑制効果、変調効果
相乗効果 (例:旨味+旨味)
:同じ系統のものを2つ以上のものを
合わせると、より一層味が強調される。
対比効果 (例:甘味 + 塩味)
:2種類以上の違う味を合わせた時に
片方、もしくは両方の味が強調される。
抑制効果 (例:苦味 + 甘味・酸味+ 甘味)
:2種類以上の違う味を合わせた時に
片方、もしくは両方の味が弱められる。
変調効果(例:甘味→酸味=より酸っぱい
塩味→水=甘い、シナリン効果など)
:2種類以上の違う味を続けて食べると
後に食べ方の味が変わる。
☆味覚の”第一階層”として。
・やはり純粋に、まずは舌へアプローチする。
・代表的な”五味” と “食べ手のバックグラウンド”
お客様がどの様な食文化で育ち
五味のどの部分により多く触れてきて
どれに一番印象強そうなのか?
・意識して一皿の中で、
さらにコース全体でも流れを加味して
構成していく。
・近年では、旨味と酸味に偏りがちな印象。
改めて、五味それぞれや、
4種の効果を考慮して
より単一フォーカス的に味覚のアプローチを。
・複雑なアプローチを目指すには、
単調的なところから
段階的に解像度を上げていく必要がある。
もしくは、
解像度が既に高いお客様にのみ
そう言った料理やサーヴィスを提供するか。
短期的には、
コースの始めからゴールに向けて
食べ手の味覚を段階的に誘導したり、
長期的には、定期的に来るお客様や
会員制度などにして
食べ手の”味覚” 自体を成長させていくか。
もしくは、
複雑な味覚に慣れている
解像度が既に高い”お客様”にのみ
そう言った料理やサーヴィスを提供するか。
☆その他
・”旨味” に関して
旨味は、それだけでは人間は感知しても
ほぼ”味”としての変換ができない。
なので、塩分が必要。
塩分が間に入る事により
人間が理解できる様に旨味を翻訳してくれる。
・”苦味” は、本来毒の味と認識されてきた。
・第六の味覚 “カルシウム味” を感じる、
「カルシウム感知受容体」が、
発見されているが、
これが人間に当てはまるのか?はまだ不明。
・味覚を感じる「味覚受容体」は、
舌の他に脳や胃腸を含め上顎や喉など
全部で8000コの味覚受容体がある。
一番集中している所が舌。
・脳や胃腸の味覚は、
血糖値や食欲のコントロールに。
例えば、脳の受容体には
甘味受容体と旨味受容体が。
胃腸には甘味、旨味、苦味の受容体が
あることはわかっている。
・季節により”変化する味覚”
春よりも秋の方が、味覚感受性は豊かになる。
なので、より複雑な味覚へのアプローチも
受け入れやすくなる。
☆結論とポイント
①:”1%” の重要性
②:五味と4種類の効果を利用する。
③:”作りたい料理” だけではなく
季節やお客様個人、
それぞれの解像度を考慮するべき。
(これが、回り回って料理人自身の評価にも返ってくる。)
やはり、2本目のヨタばなしで
伊藤の考える”重要な調味料” で話している様に
色々なバックグラウンドがある中で
例えば、
どんだけ美味しい本格的なインドカレーをお店で食べても、
それが毎月必ず食べに行くくらい
マイベストになる人は一握りで
やっぱりコレが一番美味い!やっぱりコレだよ!
ってなるのは、大半が
市販のルーを使った各家庭のカレーライス
だったりすると思うんですよね。
“焼きそば” といえば○○のカップ焼きそばだよ!
って言う人に、プロの料理人が
何かのイベントや企画で
オリジナル焼きそば を作り、提供したところで
美味い!ってなるとは思うが
総合的には勝てない。やはり一時的だろし、
何より解像度がそれほど高くない…つまり
複雑さを”求められていない”とすると
訳がわからず美味しくないと受け取られてしまい
料理人自身がかえって
認められなくなってしまう危険性もある。
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↑の映像が、気になる方は、YouTubeにて!
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